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過労徴候しらべ(Excessive Fatigue Symptoms Inventory (EFSI)

「過労徴候しらべ」を開発過労死として労災認定された復命書を全国から収集 ー (平成22年から26年の5年間:1,564件)

我々の研究チームでは、労災復命書に記載のあった過労死の前駆症状を活用し、26項目の過労徴候を記した「過労徴候しらべ」を開発しました。

下図は1,992名のトラックドライバーに対象に、彼らの過労死関連疾患の既往歴と過労徴候しらべの得点の関連性を検討したものです。

その結果

過労徴候しらべの得点が高いほど、それらの既往歴も多くなる関連性が観察されました。

過労リスクを簡便に評価する新しい調査票を開発

我々の研究チームでは、過労死の労災復命書に記載のあった過労死の前駆症状を活用し、過労リスクを簡便に評価する新しい調査票を開発し、それを用いて過労死の発生が多いトラックドライバーを対象に調査を行いました。(平成22年から26年の5年間;1,564件)

トラックドライバーの働き方と過労徴候しらべの関連性を検討

下の5 つの要因の中で最も過労リスクと関連性が高かったのは「睡眠時間の短さ」との結果が判明しました。

過労リスクを予防するためには -Take-home message-

健康的な眠り

睡眠は疲労回復を促し、労働の生産性、安全性、健康性を高め、過労リスクを予防します。

勤務時間インターバル

労働者が睡眠時間を十分、確保できるように勤怠スケジュールを編成することは過労死を防ぐための対策になり得ます。

Shorter sleep duration is associated with potential risks for overwork-related death among Japanese truck drivers : use of the Karoshi prodromes from worker’s compensation cases
Tomohide Kubo T., Matsumoto S., Sasaki T., Ikeda H., Izawa S., Takahashi M., Koda S., Sasaki T., Sakai K. 2021 / International Archives of Occupational and Environmental Health volume 94, pages991–1001 / DOI: 10.1007/s00420-021-01655-5

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