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暑熱対策に関する研究

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熱中症対策の一つ目として、作業中の体温をウェアラブルに測るという方法があります。最近様々なウェアラブル機器が身近になりましたが、体温、特に「深部体温※」を測ることは可能になっていません。そこで弊所では企業との共同研究で、パッチ型の体温計を開発し、その妥当性と信頼性を検証しています。 ※身体の内部(脳、内臓)の温度 実験では食道や直腸

① 作業中の体温をウェアラブルに測る

両面テープで胸部にセンサーを貼り付け、スマートフォンにデータがリアルタイムに表示されます。
企業との共同研究で、パッチ型の体温計を開発し、その妥当性と信頼性を検証しています。

将来的には、作業者の体温が上がりすぎるとアラートが管理者に知らされるシステムを構築します。

② 作業中の体温が上がり過ぎないための身体の冷やし方

二つ目の熱中症対策は、体温が上がり過ぎないように、身体を冷やすことです。
作業中にファン付き作業服やクールベストを着たりすることが普及していますが、深部体温の上昇を抑える効果まではありません。
したがって、プレクーリングと呼ばれる事前に身体を冷やす方法が効果的です。

弊所では実用的にプレクーリングができる方法として、冷房や氷がなくても、手足をピンポイントに冷やしたり、皮膚を濡らしながら扇風機をあてたりすることで、深部体温の上昇が抑えられることを実証しました。

現在は、作業中にも効果的に身体冷却ができる実用的な方法を検証し、作業に支障がでないような実用的な身体冷却方法を開発しています。

プレクーリング(Pre-Cooling)

手足の冷却

送風スプレー

冷房や氷がなくても、手足をピンポイントに冷やしたり、皮膚を濡らしながら扇風機をあてたりすることを「作業前」に行うことで、作業中の体温が上がり難くなります。

防護服を着た暑熱下の運動

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