労働安全衛生総合研究所

研究報告 TN-78 の抄録

切取り工事における土砂岩石崩壊による死亡災害の分析

TN-78-1
前郁夫,鈴木芳美,堀井宣幸
 在来型の労働災害のひとつである切取り工事における土砂岩石崩壊災害についてその発生状況を把握するため昭和48年~51年の間に発生した死亡災害142件についていくつかの要素をとりあげ分類・集計を行なった結果の紹介。
 工事種類・規模,被災者の属性,崩壊規模,崩壊地点の岩種・地質年代,崩壊パターン等の変素について災害発生件数の多いいくつかのタイプがあることが判明した。(図16,表10,参6)

爆発および爆ごう抑止器の実用化に関する研究(第4報) –管路拡大による爆ごうの中断を利用した爆ごう抑止器について–

TN-78-2
松井英憲,林年宏
 管路の急激な拡大によって,管径がガス組成および圧力によって定まる限界値より小さければ,爆ごうが一時的に中断することを利用し,市販の金網を消炎素子とした爆ごう抑止器を試作した。その結果,アセチレンまたは水素と空気との混合ガスの爆ごう波および燃焼波に対して有効な消炎性能を示し,かつ圧力損失も十分小さくすることができた。さらに,爆ごう抑止器の管路拡大部に破裂板を用いたときの効果,およびガス流動下における抑止器の消炎性能についても実験を行なった。(図11,表3,参6)

ワイヤロープのフラクトグラフィと事故調査へのその応用

TN-78-3
田中正清,近藤太二
 初めに,強い引き抜き加工による優れた強度特性を有するワイヤロープ素線のフラクトグラフィ的解析を実施した。各種の破壊様式に対する鋼線の破面形態は基本的には通常の錬鋼と同じであるが,詳細において線材特有と思われる若干の相違を示している。次にこの結果を参考にしたフラクトグラフィ手法を中心に実際に重大な災害を引起こしたワイヤロープの破断事故を調査した。事故発生直前におけるロープ破断部の激しい損傷状況を明確にすると共に,他の種々の方法による検討結果と合せて,その損傷の原因および破断時におけるロープ強度を詳細に検討した。


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