労働安全衛生総合研究所

労働者健康安全機構 理事長表彰について

 当機構では、労働安全衛生研究等の進展に顕著な功績のあった者を表彰し、その功労に報いて職員の士気高揚と優秀な人材の確保等による労働安全衛生研究の活性化を目的として、毎年度、「労働安全衛生研究に係る表彰」を行っています。

 令和6年9月3日に開催された表彰式にて、当機構理事長から本年度の受賞者へ表彰状が授与されました。表彰された研究員とその表彰理由は下記の通りです。


所属氏名表彰理由
(清瀬地区)
電気安全研究グループ
任期付研究員
庄山 瑞季  本研究論文は、産業現場における静電気が原因とされる粉じん爆発について、産業規模の実験装置を用いた実験を行い、静電気放電の発生に影響を及ぼす要因とメカニズムを解明した。大型の貯蔵設備における粉体の流量と静電気放電現象との関連性について、産業規模のサイロシステムを用いた実験はこれまで殆ど行われておらず、本研究論文から得られた知見は火災や粉じん爆発の防止等産業安全へ貢献するものとして高く評価でき、多くの産業現場で活かされることが期待される。
 なお、本研究論文は、国際的な学術誌である 「Powder Technology」 に掲載され、今後社会への普及が見込まれる点も評価できる。
(登戸地区)
人間工学研究グループ・
過労死等防止調査研究センター
主任研究員
池田 大樹  本研究は、近年一般にも知られるようになった 「つながらない権利」 について取り上げ、勤務時間外の連絡は労働者の健康に悪影響を及ぼすことを客観的指標により明らかにした。在宅勤務時とオフィス勤務時の比較や連絡方法別の影響に対する評価は従来の研究には無い視点であり、「つながらない権利」 に対する雇用者への動機付けとなる等、社会的な意義のみならず学術的にも注目点が多いことは高く評価できる。
 なお、本研究論文は、労働衛生の重要雑誌 「Occupational and Environmental Medicine」 に掲載された他、電子媒体のニュース記事にも掲載される等、社会の高い関心に応えている点も評価できる。

電気安全研究グループ 任期付研究員 庄山 瑞季人間工学研究グループ 主任研究員 池田 大樹

理事長表彰 授賞式

刊行物・報告書等 研究成果一覧