労働安全衛生総合研究所

安衛研ニュースNo. 140 (2020-09-04)


* 本メールは労働安全衛生総合研究所に配信を登録された方に配信しています。
** 次回配信予定:2020年10月2日(毎月第一金曜日発行)
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目次
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【140-1】お知らせ
  1. 労働者生活行動時間調査票(JNIOSH-WLAQ_CRF)の公開
  2. INDUSTRIAL HEALTH Vol.58 No.4 の発行・公開
  3. 研究員(機械安全、建設安全、電気安全、人間工学、労働災害の調査及び分析)の公募について

【140-2】コラム
 「溝掘削工事の土砂崩壊災害」
  (建設安全研究グループ 主任研究員 平岡 伸隆)

【140-3】労災疾病等医学研究普及サイトのご案内
  1. 「脳・心臓疾患」について
  2. 「生活習慣病」テーマ(平成30年度開始)について

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【140-1】お知らせ
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1. 労働者生活行動時間調査票(JNIOSH-WLAQ_CRF)の公開

 労働安全衛生総合研究所では、労働者の座位行動や心肺持久力の評価を主な目的とした質問紙「労働者生活行動時間調査票(JNIOSH-WLAQ_CRF、以下WLAQ)」を開発いたしました。労働者を対象とした疫学研究をはじめ、従業員の健康管理や企業の健康経営へ幅広くご活用いただけます。

↓↓↓ 以下のリンク先で内容をご覧ください。
https://www.jniosh.johas.go.jp/publication/houkoku/houkoku_2020_04.html


2. INDUSTRIAL HEALTH Vol.58 No.4の発行・公開

 当研究所の英文学術誌であるINDUSTRIAL HEALTH Vol.58, No.4を発行・公開しました。
 巻頭言では、小規模事業所における安全衛生の課題と改善策について、スウェーデン・ミッドスウェーデン大学のビンバー博士に解説していただきました。原著として、銀行強盗被害の遭い方に伴う心的外傷後ストレス症状と職務満足感(モナコ)、公立学校教員における座位行動と肥満、高血圧症(ブラジル)、交代勤務障害による休日の過剰な眠気(フィンランド)、世界保健機関(WHO)世界精神保健日本調査版「WHO健康と仕事のパフォーマンスに関する調査票」短縮版の妥当性と信頼性(日本,東京大学)などに関する論文があります。また現場報告として、三次医療機関で働く医療従事者における針刺し損傷とその心理的影響が示されています(日本、国際医療研究センター)。
 ご一読いただくとともに、皆さまの研究成果も積極的に投稿していただけますと幸いです。

↓↓↓ 以下のリンク先で内容をご覧ください。
https://www.jstage.jst.go.jp/browse/indhealth/(J-STAGE)


3. 研究員(機械安全、建設安全、電気安全、人間工学、労働災害の調査及び分析)の公募について

 独立行政法人労働者健康安全機構 労働安全衛生総合研究所は、以下のとおり研究員(機械安全、建設安全、電気安全、人間工学、労働災害の調査及び分析)を公募します。

↓↓↓ 以下のリンク先で内容をご覧ください。
https://www.jniosh.johas.go.jp/jobs/kiyose_200821.html(リンク切れ)


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【140-2】コラム
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「溝掘削工事の土砂崩壊災害」
 (建設安全研究グループ 主任研究員 平岡 伸隆)

 道を歩いている時に片側通行規制をしており、何やら穴を掘っている工事を見かけたことがあるかと思います。これは溝掘削工事と呼ばれ、電話・通信線、電力線、上下水道管、農業用・工業用水管、ガス管、送油管等を地盤内に敷設・改修するために地面を掘削する工事です。この他にも貯水槽等の埋設物の設置や建築物の基礎工事において地盤を掘る工事が行われ、これら溝掘削工事において側壁の土砂が崩壊し、作業者が死傷する労働災害が多発しています。当コラムでは、これらの実態や対策についてご紹介します。

↓↓↓ 以下のリンク先で内容をご覧ください。 ↓↓↓
https://www.jniosh.johas.go.jp/publication/mail_mag/2020/140-column-1.html


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【140-3】労災疾病等医学研究普及サイトのご案内
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1. 「脳・心臓疾患」について
 仕事を主な原因として脳梗塞などの「脳血管疾患」と心筋梗塞などの「心疾患」を発症した場合、「過労死」と呼ばれます。当機構では、第2期労災疾病等医学研究において、過重労働による脳・心臓疾患を防止するための研究を平成21~25年度にかけて行いました。
 この研究では、東日本大震災で甚大な被害を受けた宮城県亘理町住民に対してコホート調査を行いました。
 その結果、微量アルブミン尿の検出された人は、検出されなかった人と比べ、心血管疾患発症リスクが約2.3倍も高いことが分かりました。これより、日本の一般住民において、微量アルブミン尿から脳・心血管イベントを予測できる可能性が示されました。
 また、様々な職種が混在する地域職域集団において、量的、質的職業ストレスが健康障害リスクとなるのか否かを調査した結果、長時間労働は「肥満」と「うつ」のリスクを高め、能力を十分に発揮できない仕事を行う技能の低活用は「高血圧」と「うつ」のリスクを高める可能性が示されました。

 研究の詳細については、以下のサイトをご覧ください。
https://www.research.johas.go.jp/22_nou/


2. 「生活習慣病」テーマ(平成30年度開始)について
 勤労者の過労やストレスが、高血圧などの「生活習慣病」の悪化に影響を及ぼすと言われています。勤労者の過労やストレスと、高血圧等「生活習慣病」発症との因果関係を明らかにすることによって、働く人々の健康を守ることにつながります。
 現在、「生活習慣病」テーマでは5つの研究を行っていますが、そのうち、「地域社会における社会的ストレス及び社会関係資本と生活習慣病との関連に関する研究」についてご紹介します。
 これまでの疫学研究では、独居や経済的苦境等の「社会的ストレス」が、生活習慣病の悪化、心不全増悪や冠動脈疾患の発症のリスク因子であることが示されています。
 一方、近年の地域社会を考える上では、「社会関係資本(Social capital)」が重要です。これは、「地域の絆」や「ご近所の底力」等と呼ばれるような、他の人に対して抱く「信頼」や、人々との絆である「ネットワーク」を指す言葉です。
 過去に行われた研究では、社会関係資本が豊かな地域では死亡率や精神病の有病率と犯罪率が低く、社会関係資本が低い地域では要介護になる高齢者の割合が多いという報告があります。
 この研究では、全国労災病院のネットワークを活用して、各地域の社会関係資本や個々の症例の社会的ストレス・精神的ストレスと生活習慣病との関連を明らかにし、生活習慣病の地域の実情に即した医療(Area-Based Medicine)の確立を目指します。

 詳しい研究内容は、「労災疾病等医学研究普及サイト」をご覧ください。
http://www.research.johas.go.jp/seikatsu2018/


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