所長からのご挨拶
独立行政法人労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所
働く人の安全と健康を守るため、労働安全衛生総合研究所では、「産業安全及び労働衛生」分野におけるわが国で唯一の総合的研究機関として、研究所の母体の一つである産業安全研究所の設立以来80年以上の長きにわたり調査研究並びに労働災害の調査を実施してまいりました。平成28年度には、独立行政法人労働者健康福祉機構と統合し独立行政法人労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所となり、昨年度末でちょうど10年を迎えました。
令和6年度からは、労働者健康安全機構に設置されていた日本バイオアッセイ研究センターの業務を引き継ぎ、化学物質に係る危険性・有害性の情報伝達とリスクアセスメントの実施に資するため有害性調査を実施することとなりました。これにより、労働者健康安全機構の第5期中期目標(令和6年~10年度)を達成するため、当研究所では①労働者の健康・安全に係る基礎・応用研究の推進、②労働災害の原因調査の実施に加え、③化学物質の有害性調査の実施を主要業務としております。
近年は、労働災害による死亡者数は減少しているものの、労働災害による休業4日以上の死傷者数は横這い傾向にあり、新たな対策が必要とされています。特に、高年齢労働者や外国人労働者が安心して働くことができる職場環境の改善や、AI等の新技術を活用した安全衛生対策、気候変動の影響による熱中症の予防など、社会構造・自然環境の変化に対応した労働安全衛生対策の構築が急務とされております。
さらには、第14次労働災害防止計画に掲げられた、陸上貨物運送事業、建設業、製造業などの業種別の労働災害防止対策、メンタルヘルスや過重労働などの労働者の健康確保対策、化学物質や電離放射線等による健康障害防止対策など、従来から当研究所で取り組んできた課題をさらに発展させて調査研究を実施することが必要とされており、その成果が活用されていくことにより、働く人の安全と健康を守ることが当研究所の重要なミッションとなっています。
当研究所では、これらの主要業務や新たな課題に取り組むため、研究機能の強化、労働災害調査や化学物質の有害性調査などの体制整備を行い、行政機関、事業場、学会、災害防止団体等と連携し、当研究所の研究・調査・試験による成果の社会実装が推進されるよう、今後とも労働災害や疾病の減少に結び付く業務を着実に実施する所存です。
労働安全衛生総合研究所の職員一同、国民の皆様の御期待に沿えるよう誠心誠意努力して参りたいと存じます。今後とも御指導と御鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。







