労働安全衛生総合研究所

技術指針 TR-No.40 の抄録

工場電気設備防爆指針 –国際規格に整合した技術的基準対応 2006–

TR-No.40

 本指針は、「工場電気設備防爆指針(ガス蒸気防爆 2006)」の刊行に合わせて、「電気機械器具防爆構造規格(昭和44年労働省告示16号 以下「防爆構造規格」と記す。)における可燃性ガス又は引火性の物の蒸気に係る防爆構造の規格に適合する電気機械器具と同等以上の防爆性能を有するものの技術的基準(IEC規格79関係)」(昭和63年基発第208号)に対応し、国際規格にも整合した指針となることを意図して、刊行するものである。

 国(厚生労働省)は機械等の規格に係る国際基準への整合化の一環として防爆構造規格と国際電気標準会議(IEC)の制定した関係規格との整合化を図ることを目的に、上記技術的基準を示しているが、国際規格の数年ごとの改定のため技術的基準の見直しが追いつかない状況にあり、産業界等から国際規格との整合について早急な対応が求められている。また、国の規格は従来の構造要件を主とした規格から、今後は性能要件を主とした規格への移行が進むものと考えられる。

 このような情勢から、近い将来、規格においては必要な性能要件を規定し、細部については指針等に委ねられることも想定される。このため、当研究所では、現状においてこのような役割に対応することが出来る指針を作成するため、電気機械器具のメーカ及びユーザからの専門家と学術専門家からなる委員会における審議を通じた指針原案の作成作業を社団法人産業安全技術協会に委託し、今般成案が得られた。

 当研究所では、このたびこの成案を元に、「工場電気設備防爆指針(国際規格に整合した技術的基準対応 2006)」として刊行する次第である。
 本指針では、タイプn、Exコンポーネント、Exケーブル引込部、Exアダプタ及びこれらに関連するものなどについても記述している。これらの内容は防爆構造規格及びそれに基づく技術的基準(昭和63年基発第208号)に規定されていないので、そのまま検定に活用されることはないが、それ以外の部分については推奨できる指針となっている。

 本指針の原案作成審議に当たり、多大なご協力を頂いた工場電気設備防爆指針審議委員会委員各位及び産業安全技術協会の関係各位並びに関係機関、団体に対して、ここに改めて深甚の謝意を表します。

平成18年3月31日  独立行政法人産業安全研究所  理事長  鈴木 芳美 


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