労働安全衛生総合研究所

技術資料 TD-No.10 の抄録

建築物の解体工事における外壁倒壊の防止対策

TD-No.10
高橋弘樹,高梨成次,堀智仁

 解体工事現場において外壁を解体する場合、主に転倒工法と呼ばれる工法が用いられている。転倒工法とは、壁や柱の下部の一部を切削して、外壁を倒しやすくしてから、ワイヤロープ等で引き倒す工法である。この切削作業中に、外壁が倒壊し、作業者が下敷きになるという災害が発生している。外壁倒壊の原因としては、外壁下部の切りすぎとともに、ワイヤロープ等を設置した状態で切削作業をするため、ワイヤロープ等の張りすぎが考えられる。また、転倒工法においては、切削作業中の外壁の倒壊防止方法が確立されていないという状況もあり、このことも災害の原因と考えられる。
 本報では、転倒工法における外壁の倒壊災害を防止するため、実験と計算により、災害の多い鉄筋コンクリート造の外壁を対象として、適切な切削方法とワイヤロープ等の張り方を検討するとともに、外壁の倒壊防止について解説する。

Keywords: 倒壊・崩壊,転倒工法,外壁,柱,切削,鉄筋コンクリート,ワイヤロープ,仮設部材


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