労働安全衛生総合研究所

安全資料 SD-No.17 の抄録

建設作業現場における企業の安全活動とその効果に関する調査研究

SD-No.17
庄司卓郎,輿水ヒカル,鈴木芳美

 労働災害件数の低減のための新しいアプローチとして,安全文化に基づく,組織レベルの安全対策の重要性について概説するとともに,企業の安全活動が作業員の安全意識の向上に及ぼす効果に関する調査結果を報告した。大手建設企業を対象とした質問紙調査の解析から,企業の安全への傾倒が作業員の安全意識の醸成に寄与する可能性が示された。全般に建設企業の安全対策は熱心に行われているが,多くはシステム作りに重点が置かれており,本社レベル主導で行われることが多く,本社と現場での意識のずれなども観察された。一方で,作業員,本社職員とも,安全に対する意識が高く,組織ぐるみでの安全対策の重要性を認識しており,今後徐々に安全を重視する文化が浸透していくものと期待している。(図11,表12,参考文献34,付録図117,付録表2)


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