労働安全衛生総合研究所

安全資料 SD-72-1 の抄録

過剰酸素中の燃焼危険性と安全対策

SD-72-1
駒宮 功額

まえがき

 酸素は人間の呼吸に欠くことのできない有用なガスであり、製鉄、化学工業金属加工などの工業部門をはじめ、医療、研究など多方面に利用されていることはよく知られている。しかし、空気と異なり窒素を含まない酸素は強い支燃性をもっていることや、酸素の生理的な有害性については、よく理解されていないようである。このため、酸素や酸素分圧の高い雰囲気による火災や爆発事故が年々繰り返し発生している。
 ここでは大気圧より高い酸素分圧(160mmHg) を越える雰囲気や酸素濃度が21%(Vol以下略)を越える雰囲気を過剰酸素雰囲気(Oxygen Enriched Atmospheres1l) と呼び、 このような雰囲気内における火災や爆発の危険性と事故予防対策について現在までに発表された資料をもととして解説する。なお、大気圧空気より強い支燃性をもつガスには亜酸化窒素、塩素、オゾンなどがあるが、これらについては省略する。


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