労働安全衛生総合研究所

研究報告 RR-31 の抄録

細隙における消炎現象に関する研究 –細隙の大きさと長さが消炎に及ぼす影響–

RR-31-1
林年宏
 細隙における消炎現象を利用した火炎防止器の設計に際しては,細隙の大きさ( )と長さ( )をどのように選択するかが極めて重要であるが,消炎が生ずる限界の細隙寸法についての知識は必ずしも充分ではない。この報告では,最も単純な形状の細隙である円孔を対象として,密閉容器中で生じた爆発火炎を消炎するのに必要な の関係をしらべた。混合ガスの初圧が高いほど消炎しにくいという事実をもとに,消炎する限界の初圧を尺度として実験した結果,メタン,水素あるいはプロパンと空気との混合ガスの濃度が当量値に近く,かつ, が小さい場合には, = 0.03 + 0.44 g g は消炎径)という関係が,ガスの種類に無関係に成立することがわかった。また,この結果をもとに,消炎に関する Palmer の実験式の妥当性についても考察した。(図11,参5)

高圧用ゴム手袋の電気的ストレスによる劣化

RR-31-2
市川健二
 高圧用ゴム手袋は,使用期間中に受ける種々の要因によって劣化する。その劣化要因の1つに電気的ストレスがある。本報は,新品の高圧用ゴム手袋に電圧ストレスのみを加えたときの絶縁破壊分布(寿命)を統計的手法を用いて推定し,これより電圧印加による手袋の劣化特性を検討した結果を示す。電圧ストレスとしては,一定電圧を連続して加えた場合と1分印加–1分休止及び3分印加–1分休止の電圧を繰返し加えた場合の3種類である。(表7,図15)


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