労働安全衛生総合研究所

研究報告 RR-29 の抄録

人間の予測確率を用いた特異性の定量化(第1報)

RR-29-1
深谷潔,杉本旭,近藤太二
 特異性の大きさ(特異度)を人間に与える「驚き」の大きさ(驚愕度)で定量化を行う手法を検討した。この驚愕度は,予測と現実のずれの大きさ(はずれ度),特異現象の重要度・緊急度の関数となる。人間の予測を確率で表現し,はずれ度を表す式を提案した。
 重要度,緊急度が一定と考えられる条件のもとで,追従制御動作を行わせ,その制御成績と,上述の方法で計算した特異度を比較した結果,両者の間に,良い一致が見られた。(図6,表2,参1)

階段・通路の安全性に関する研究(第3報) –階段寸法等に対する心理的評価–

RR-29-2
永田久雄
 本報では階段の安全歩行に関して心理学的な手法,すなわち系列範ちゅう法や Scheffe・中屋の一対比較法を利用して研究を行った。20名の学生・老人それぞれに,42組の踏面・蹴上寸法の評価や歩行速度,手摺高,踏面先端部の滑り止め材寸法などの評価を行わせた。
 最適寸法は学生については,踏面寸法28.0cm,蹴上寸法18.5cmであり,老人については30.0cm,18.0cmであった。この寸法値から外れれば外れるほど,心理的歩行負担は増している。他に種々の心理的評価データを得た。(図13,表12,参14)

燃料–空気混合ガスの爆ごう濃度限界

RR-29-3
松井英憲
 爆ごう濃度限界の測定値が、測定方法によって非常に異なることや,爆ごう濃度限界の標準的な測定方法が確立されていないことに対して,爆ごう限界に対する正しい認識を得ることと,燃料–空気混合ガスの真の爆ごう濃度限界を決定することを目的として研究を行った。
 水素,メタン,エチレン及びプロパンと空気の混合ガスについて,爆ごう波管を用いて,爆ごう濃度限界に及ぼす起爆方法,管径及び管路の障害物の影響について実験を行い.爆ごう濃度限界に及ぼす諸因子の解明を試みた。(図11,表6,参26)


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