労働安全衛生総合研究所

研究報告 RR-25 の抄録

応力勾配を考慮した平形砥石の遠心破壊速度の推定法

RR-25-1
粂川壮一
 補強のない平形砥石の遠心破壊強度は,砥石の内周部に発生する最大応力値と,その点における応力勾配によって支配されるという考え方により,ビトリファイド砥石とレジノイド砥石について,その応力勾配を満足するような条件の曲げ試験から求めた曲げ強さを用いて平形砥石の遠心破壊速度を推定し,回転試験から得られた遠心破壊速度の実測値との比較考察を試みた。その結果,本推定法は高精度で推定できることが確認された。(図11,写1,表2,参4)

電子顕微鏡による事故破面の定量化 –アルミ合金および軟鋼の疲れき裂伝ぱの第II段階における破面様相と破壊力学パラメータとの関係–

RR-25-2
橘内良雄,田中正清
 フラクトグラフィ的手法を用いて定量的破壊事故解析を行なうために,アルミ合金および軟鋼について,種々の応力比のもとにおけるき裂伝ぱ速度とストライエーション間隔とを調べた。その結果,種々の応力比のもとでのき裂伝ぱ速度は,き裂開口現象に基づくElberの有効応力拡大係数と良い相関が見られた。これらのき裂伝ぱ速度とストライエーション間隔とは,伝ぱ速度が 0.05~0.4µ/Cの範囲で両者が一致している.また,一定応力拡大レベル域において,1個のパッチ中と全体のパッチ中から得られたストライエーション間隔のばらつきを比較すると,全体から得られた場合の方が大きい。このため破壊事故解析にあたっては,多くのパッチからストライエーション間隔を測定することが必要である。(表3,図23,文献18)

仮設手摺の具備条件 –仮設手摺の必要高さと必要強度について–

RR-25-3
小川勝教,河尻義正,堀井宣幸
 墜落防止用仮設手摺の構造基準を定めるため,仮設手摺の具備条件に関する実験的研究を行なった。実験および実験式を用いたシミュレーションの結果,人が手摺を乗りこえないための仮設手摺の必要高さと必要強度を求めた。(表10,図22,写真2,参4)

熱線風速計による微風速度の測定における出力電圧の温度補正の方法と気流方向の計算について

RR-25-4
木下鈞一
 微風速度を熱線風速計を用いて測定する際,気流温度の変化に対して出力電圧に精度のよい温度補正をする必要があり,その方法について研究した。また気流方向を計算する方法についても実験的に調べ,その方法を示した。(表3,図17,参15)


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