労働安全衛生総合研究所

研究報告 RR-22 の抄録

水素–空気混合ガスの火炎逸走特性 –はめあい結合に対するセーフ・ギャップの推定–

RR-22-1
林年宏,鶴見平三郎
 はめあい結合からなるスキにおける爆発火炎の消炎に関する実験を,当量濃度の水素–空気混合ガス(圧力 1.5 ㎏/㎠G 以下)について行なった。実験には3種の円筒容器を用い,一定のスキ(直径差 0.4㎜以下)とスキの奥行(25㎜以下)について火炎逸走の生じない限界の混合ガス圧力を求めた。この圧力を特性値としてスキの消炎能力を比較することにより,スキにおける消炎を支配する因子との関係について有益な知見を得たほか,水素を対象とする耐圧防爆構造の電気機器のスキの設計に利用できるデータが得られた。(表6,図10,参8)

管路の拡大による気体爆轟波の中断(第2報) –いくつかの炭化水素・酸素爆轟波について管路を三次元的に拡大した場合–

RR-22-2
松井英憲
 種々内径のガス管を用いて,アセチレン,エチレン,プロパン,水素および都市ガスと酸素の混合ガスについて,管路を途中で拡大した場合の爆轟波の中断特性について実験を行った。
 イオンプローブ法によって管路拡大前後の波面速度変化を測定し,爆轟中断開始圧力を決定した。爆轟中断開始圧力は,ガスの組成および細管部の管径に依存することが明らかになった。(表6,図7,参9)

人工指の試作研究(第1報) –制御要素としての電気流体の特性–

RR-22-3
近藤太二,杉本旭
 人工指の制御に使用しうる効果的な電気流体を見出すために,これまで最も顕著な電気流体といわれていた微結晶セルロース・塩化ジフェニール系についてその特性実験を行ない,ウインズロ効果のメカニズムを考察した。
 その結果,ウインズロ効果は誘電異常現象をともなう,いわゆる電気2重層説によって説明しうることがわかった。この観点から,イオン交換樹脂を分散相とする新しい電気流体が開発された。(図29,参16)


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