労働安全衛生総合研究所

安衛研ニュースNo. 143 (2020-12-04)


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** 次回配信予定:2021年1月8日(第一金曜日が元日の為、次号は第二金曜日になります。)
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目次
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【143-1】お知らせ
  1. 特別研究報告SRR-No.50の発行・公開

【143-2】コラム
 今月のコラムは休載です。

【143-3】労災疾病等医学研究普及サイトのご案内
  1. 「メタボローム」について
  2. 「治療と仕事の両立支援コーディネーターマニュアル」について

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【143-1】お知らせ
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1. 特別研究報告SRR-No.50の発行・公開

 2020年の研究所特別研究報告SRR-No.50を発行・公開しました。

↓↓↓ 以下のリンク先で内容をご覧ください。
https://www.jniosh.johas.go.jp/publication/srr.html#srr2020


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【143-3】労災疾病等医学研究普及サイトのご案内
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1. 「メタボローム」について
 メタボロームを略した「メタボ」という単語から、お腹の内面や内臓周りに脂肪が蓄積する「内臓脂肪型肥満」のことを連想されるかもしれません。しかし、メタボロームとは本来「細胞内代謝によって作られた低分子化学物質の総体」の呼称で、具体的には、核酸(DNA)、たんぱく質、糖、有機酸、アミノ酸など数千種の物質を指します。このメタボロームを解析することで、疾患の発症を予測できる可能性があり、本研究ではその解析を通じて勤労世代が多く罹患する疾患の診断方法の確立を目的として以下の2点に絞った研究を行っています。
① 過重労働・ストレス下における心疾患イベントを予測する因子
 労働者の過労死予防のため、メタボローム解析により、過労死の要因となる「心臓疾患」の発症に至る予測因子もしくは関係因子となり得る定量的マーカーの推測および同定を行います。

【中間報告】
・研究1 長時間労働下におけるメタボロームの特徴
 男性職員で残業時間が80時間を超える者の血液、尿、唾液を採取してメタボローム解析を行い、同一職員の残業時間が少ない時期(45時間以内)と比較しました。
・研究2 ACS患者におけるメタボロームの特徴
 ACS患者(60歳以下の男性、勤労者)と、健康診断センターを受診する年齢が一致した60歳までの男性勤労者の血液、尿、唾液のメタボローム解析を行い、比較をしました。

② 早期慢性膵炎の疾患概念の研究と新規診断法の開発
 勤労男性に発生率の高い早期慢性膵炎には、職場ストレスや大量飲酒との関連性が指摘されていますが、未だ明らかとは言えません。このため、メタボローム解析を通じて早期慢性膵炎の疾患概念を明らかにし、早期診断法の開発を行うとともに、早期慢性膵炎と職場ストレス等との関連を検討します。

【中間報告】
 アルコール性慢性膵炎患者、アルコール性早期慢性膵炎患者、健常者(飲酒群、非飲酒群)各20例を目標とし、症例収集を行っています。現在、一部の症例のメタボローム解析を行っています。

 本研究の詳細について「労災疾病等医学研究普及サイト」に記載がありますの で是非ともご覧ください。
https://www.research.johas.go.jp/metabolome/index.html


2. 「治療と仕事の両立支援コーディネーターマニュアル」について
 当機構では、治療就労両立支援センターが中心となり、がん、糖尿病、脳卒中(リハビリテーション)、メンタルヘルスおよびその他疾病について、治療と仕事の両立支援を通じた事例収集を行っています。これまでに収集した支援事例をもとに「治療と仕事の両立支援コーディネーターマニュアル」を作成しました。
 このマニュアルは、両立支援コーディネーターが業務を行うに当たっての基本スキルや知識に加え、両立支援の事例紹介や実務上留意すべき事項などを掲載したものです。
 令和元年度に改訂を行い、「がん」、「糖尿病」、「脳卒中」、「メンタルヘルス」の分野別に分かれていたマニュアルを1冊に統合しました。
 マニュアルは両立支援コーディネーター基礎研修のテキストとして配付していますが、当機構ホームページからも無料でダウンロードできます。

★ 両立支援コーディネーターマニュアルはこちら
https://www.johas.go.jp/ryoritsumodel/tabid/1047/Default.aspx

★ 両立支援コーディネーターについて知りたい方はこちら
https://www.research.johas.go.jp/ryoritsucoo/


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