安衛研ニュースNo. 130 (2019-09-06)
* 本メールは労働安全衛生総合研究所に配信を登録された方に配信しています。
** 次回配信予定:2019年10月4日(毎月第一金曜日発行)
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目次
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【130-1】お知らせ
- 行政要請研究「電磁波の健康影響に関する調査研究」報告書の発行
- Industrial Health Vol.57 No.4 の発行・公開
【130-2】コラム
「カナダの労働安全衛生研究所(IRSST)と共同で行ったケベック州での土砂崩壊実験」
(労働災害調査分析センター センター長 玉手 聡)
【130-3】労災疾病等医学研究普及サイトのご案内
- 「職場高血圧」の研究について
- 「じん肺」について
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【130-1】お知らせ
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1. 行政要請研究「電磁波の健康影響に関する調査研究」報告書の発行
非電離放射線は生体に直接的作用を及ぼさないことから、積極的に産業、通信、医療分野で利用されています。国際がん研究機関(IARC)は非電離放射線のうち無線周波電磁界(30 kHz-300 GHz)の発がん性評価を行い、2B分類(ヒトに対して発がん性がある可能性がある)と分類しました。これ以降、国内では高周波電磁界の健康影響調査に対する体系的とりまとめが行われていなかったため、本研究では、非電離放射線の生体影響、ばく露源及びIARC分類以降の研究状況について情報整理をしました。
↓↓↓ 以下のリンク先で内容をご覧ください。
https://www.jniosh.johas.go.jp/publication/doc/houkoku/2019_03/NIR_2019_03.pdf [PDF]
2. INDUSTRIAL HEALTH Vol.57 No.4 の発行・公開
当研究所の英文学術誌であるINDUSTRIAL HEALTH Vol.57, No.4を発行・公開しました。巻頭言では、ポーランド・ノーファー職業医学研究所のAlicja Bortkiewicz氏より、無線周波数電磁界の健康影響について解説して頂きました。また、総説として交代勤務者の食行動(オーストラリア)や音楽家の筋骨格系障害(オーストラリア)などが議論されています。原著と短報では、非特異的慢性腰痛の予測要因(日本)、昼食後の眠気対策としての光活用(イラン)、タクシー運転手の事故と労働条件(日本)、客室乗務員の摂食タイミング(オーストラリア)などに関して、最新の知見が報告されています。
ご一読いただくとともに、皆さまの研究成果も積極的に投稿していただけますと幸いです。
ご質問などがございましたら、本誌事務局( ihjim@h.jniosh.johas.go.jp )までお気軽にお問い合わせください。
↓↓↓ 以下のリンク先で内容をご覧ください。
https://www.jniosh.johas.go.jp/en/indu_hel/2019.html
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【130-2】コラム
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「カナダの労働安全衛生研究所(IRSST)と共同で行ったケベック州での土砂崩壊実験」
(労働災害調査分析センター センター長 玉手 聡)
本号ではカナダのケベック州でおこなった土砂崩壊実験についてご紹介します。
「土」は私達にとってとても身近な(自然)材料ですが、それが集まってできている地盤の安定状態を知ることは、実は難しいことです。ここでは土砂崩壊の「危険の把握」に焦点をあてたIRSSTとの国際共同研究についてご紹介します。
↓↓↓ 以下のリンク先で内容をご覧ください。 ↓↓↓
https://www.jniosh.johas.go.jp/publication/mail_mag/2019/130-column-1.html
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【130-3】労災疾病等医学研究普及サイトのご案内
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1. 「職場高血圧」の研究について
心筋梗塞の発症の引き金として、ストレスやうつ病などが大きく影響することが知られています。一般に、心筋梗塞は午前中の血圧上昇などに合わせて午前中に多く発症するとされますが、働き盛りの比較的若い男性喫煙者の場合は夜の遅い就業中に発症することから、社会的・経済的要因との関わりが伺われます。
生活習慣と心疾患リスクに関する研究については次の研究があります。
http://www.research.johas.go.jp/seikatsu/summary.html
http://www.research.johas.go.jp/seikatsu/index.html
この研究では「職場高血圧」 について、勤労者の月曜日の午前(仕事中)にダブル・プロダクト 【W–P:収縮期血圧×脈拍数】が上昇することを明らかにしました。これは、月曜日の仕事量の抑制が勤労者の心疾患事故を予防する上で重要なことを示唆しています。
2. 「じん肺」について
じん肺は、鉱物、金属などの粉じんを吸入することによって肺に生じる職業性呼吸器疾病です。今回は、これまで当機構が「じん肺」の労災認定の迅速・適正化のために取り組んできた研究のうち、「病職歴データベースによるじん肺患者におけるANCA(好中球細胞質抗体)関連血管炎・腎疾患発症頻度の検討」についてご紹介します。
http://www.research.johas.go.jp/jinpai2015/thema01.html
抗好中球細胞質抗体(anti-neutrophil cytoplasmic antibody; ANCA)とは、自己の好中球を抗原と見なして反応する自己抗体のことです。ANCA関連血管炎・腎疾患は比較的稀な疾患で、代表的なものには顕微鏡的多発血管炎、肉芽腫性多発血管炎、アレルギー性肉芽腫性血管炎があります。ANCA関連血管炎・腎疾患の原因は未だ不明で、原因として環境因子(シリカや石綿へのばく露)や抗甲状腺薬プロピルチオウラシルの関与等が報告されていますが、じん肺における ANCA関連血管炎または腎疾患の頻度は明らかではありません。
そこで当機構では、本邦のじん肺患者におけるANCA関連血管炎・腎疾患の頻度を明らかにするために、全国労災病院の病職歴データベースを用いて、その発症頻度を調査しました。
研究の詳細は、以下のリンクからご覧いただけます(「第三期研究報告冊子8 じん肺「労災保険給付に係る決定等の迅速・適正化に係る研究・開発、普及」研究報告書」)。
http://www.research.johas.go.jp/booklet/report.html
病職歴調査について、詳しくは以下をご覧ください。
http://www.research.johas.go.jp/bs/index.html
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