労働安全衛生総合研究所

海外からの研究所訪問

 1.  10月21日,ベトナム国立労働保護研究所(NILP) 関係者,総勢4名が当研究所を訪問しました。今回の訪日目的は,ベトナム国家労働安全衛生計画で研究機能の強化が記載され,DANIDA(デンマークの援助機関)の援助のもと,作業環境測定・分析,安全,個人用保護具に関する機器類を整備するにあたり,当研究所の実験機材等を参考にしたいというものです。
 当日は,清瀬地区の建設安全関連施設,機械安全関連施設,爆発防止実験関連施設,電気安全関連施設および人間工学関連施設,および登戸地区の工学棟,粉じん実験室,電子顕微鏡室,動物実験施設,振動実験施設を見学しました。どの施設も訪問者の興味を引いたようで,活発な質疑が行なわれました。また,その後の意見交換では,先方からベトナム国立労働保護研究所とその関連組織、法体系、労働衛生上の課題についての説明があり,今後も情報交換を続けて,関係を強化していくことで一致しました。



左から2番目は当研究所 前田理事長、右隣がNILP側団長の Dr. Le Van Trinh



  振動実験施設の見学


*)NILP は,ベトナム労働組合総連合(VGCL)のもとに1971年に設立され,労働安全衛生に関する教育訓練,健康診断,作業刊行測定等のサービスの提供,研究を実施する機関である。また,VGCLの傘下であるが科学技術省から予算の配分を受けている。



 2.  11月14日の午後,タイ労働省労働保護局の関係者,総勢12名が当研究所清瀬地区を訪問しました。今回の訪日目的は,労働安全衛生に関連した新組織 TIOSH(Thai Institute of Occupational Safety and Health ) の今後の運営のための情報収集として日本の関係団体を視察するもので,当研究所以外にも幾つかの関係団体の訪問が計画されています。
当研究所においては, 建設安全関連施設,爆発防止実験関連施設,電気安全関連施設および人間工学関連施設を見学しました.

  左:建設安全実験棟の見学、 右:配管等爆発実験施設の見学

 どの施設でも実験内容についての他、設備のコストや利用状況等、多くの質問を頂き、参加者の皆様の興味を引いたようです。また、その後の意見交換では、両組織間で今後とも情報交換を進め、研究員の交流の可能性等を検討しながら、実のある協力関係を築き上げていくことで一致しました。


前列左から6番目は当研究所 前田理事長、右隣がタイ側団長の労働省労働保護局次長 Mr. Suvit Sumala、さらに右隣がタマサート大学公衆衛生学部長Dr. Chaiyuth CHavalitnitikul.
*)TIOSHは、労働安全衛生面の促進と労働安全衛生分野規制への寄与、その他調査研究を任務として、2011年に制定されたタイ労働安全衛生法の下で労働省により設置された団体。TIOSHは来年に立ち上げを予定しており、現在各国組織を研究中とのこと。

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