労働安全衛生総合研究所

参加事業所募集!「勤務時間の裁量権と職場の安全衛生」プロジェクト

 当研究所では、労働時間や休暇のとり方などを労働者自身で決められる程度(勤務時間の裁量権)が健康や安全に与える影響を調べる予定です(平成22-24年度)。ただ今、この調査プロジェクトに参加していただける事業所を募集しております。

 以下の説明をお読みいただき、興味・関心をお持ちの事業主、安全衛生担当の皆さまには、本年9月中旬ごろまでに下記連絡先あて、ぜひご一報いただけますと幸いです。ご協力いただけそうな事業所に心当たりのある方も歓迎いたします。ご依頼があれば、事業所に出向いて説明も行います。この調査から、より健康で充実した働き方につながるヒントや安全衛生行政に対する示唆を得たいと思っておりますので、ご協力のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

調査の背景


 近年、社会の24時間化や情報技術の進歩によって、働く時間と場所はより柔軟で多様なものに変わってきました。フレックスタイム制や裁量労働制などはその代表的な例といえます。ヨーロッパで行われた研究によると、労働者が自らの勤務時間-例えば、始業・終業の時刻や休暇のとり方-について決められる範囲(裁量権)が大きいと、心身の健康とワーク・ライフ・バランスに有益であったそうです。しかし、こうした柔軟な働き方はわが国では導入されてから日も浅く、また文化が異なるヨーロッパでの結果がそのまま日本にもあてはまるか、わかっていません。しかも、これまでの調査はほとんどがアンケートのみで、調査もある一時点でしか行われていません。

 私どもの調査プロジェクトでは、このような問題点を改善しながら、勤務時間に対する裁量権の意義を明らかにしたいと考えております。

目的


 勤務時間の裁量権が働く人々の健康や安全に与える影響を明らかにする。

対象


 昼間の勤務のみ、あるいは夜勤も含む事業所で働く労働者(事業所規模、業種、職種、性別などに特に指定はありません)。

方法


 勤務時間に対する裁量権、睡眠、疲労、ワーク・ライフ・バランスなどについて、アンケート調査を半年あるいは1年ごとに行います。ご希望に応じて、小型センサーを用いた睡眠や反応時間の検査もあわせて行います。また、ご本人の了解のもと、血圧など健康診断の結果も報告していただきます。
 ※実際の進め方は各事業所のご都合に合わせます。

費用


 本調査にかかる費用は当方が負担いたします。

調査参加のメリット


 事業所全体における働き方の健康度、安全度のチェックができます。また、職場の改善のための資料が得られます。

倫理的配慮


 本調査の実施は当研究所の研究倫理審査委員会によって承認されています(H22009)。

連絡先


  研究代表者:労働安全衛生総合研究所 作業条件適応研究グループ
 上席研究員 高橋正也(たかはし まさや)
 電話:044-865-6111(内線 8265) ファクス:044-865-6124

刊行物・報告書等 研究成果一覧