労働安全衛生総合研究所

第三題:国内外の安全衛生関連最新情報の収集・分析・提供

 労働安全衛生対策を適正かつ効果的に推進するためには、国内外の研究から得られた最新の科学的知見や諸外国の基準・規制等を収集分析し活用することが重要です。

 そこで、安衛研は2008年から2009年の2年間にわたり、厚生労働省より委託を受けて,「最新の知見による職業性疾病等の予防対策普及促進等事業」を労働安全衛生対策普及センターにおいて実施しました。本事業の内容は、(1)海外労働安全衛生の最先端リスク情報や法規制対策を欧米の当該分野の専門家を招聘してワークショップを開催する等により収集分析し,(2)その結果を公開セミナーや出版物、ホームページを通じて情報発信すること、さらに(3)国内専門家検討会を組織し当該課題に関してわが国で新たな取り組みが必要であるか等について専門的見地から検討を行い行政に提言等を行うことでした。

 幸い欧米から当該分野の第一線の専門家を招聘でき、ワークショップでは国内有識者との大変有意義な討論と学術的交流が実現し、引き続き行われた公開セミナーでは多くの労働安全衛生関係者の参加をいただきました。公開セミナーのテーマを以下に示します。

2009年度公開セミナー


  1. 機械安全国際規格に基づく保護方策
  2. 化学プラントにおける安全管理の国際動向
  3. 欧州における化学物質対策(REACH)について
  4. ナノ粒子の労働衛生管理の国際動向

2008年度公開セミナー


  1. 労働安全衛生研究の国家戦略の国際動向
  2. 暑熱ストレス評価と職業性熱中症予防対策
  3. 人体振動に関する新EU Directiveの戦略
  4. 救急医療からみた職業性熱中症の発生実態と対策
  5. 高齢化に伴う労働災害の防止対策
  6. イギリスHSE・ドイツBGIA&DGUVの振動障害と騒音性難聴の予防等の取り組み
  7. 世界貿易センタービルテロ事件におけるアスベスト関連疾患と予防対策について


ワークショップの一場面  公開セミナーの一場面

 第四題目、五題目として、欧米関係諸機関との国際共同研究、中国や韓国等アジア諸国との研究交流・技術協力の推進等、話題に事欠きませんが、また機会をあらためて紹介させていただきます。

(澤田晋一 国際情報・研究振興センター長)

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