労働安全衛生総合研究所

働く人の健康に関する研究施設(登戸地区) 平成22年一般公開を終えて

 平成22年登戸地区一般公開は、4月18日 (日)、午前42名、午後50名のお客様においでいただき、無事終了いたしました。休日にはるばるお越しいただき、心より御礼申し上げます。


 以下は一般公開見学の潜入レポートです (午前・午後の見学は、同じコースです)。


 4月18日(日)晴れ。10時開始の10分前に到着。玄関でイケメンのお兄さんから資料とプログラムをもらい、いよいよ見学開始。5階建ての研究本館に向かう。

 まずは講演。子ども連れの場合は、講演をスキップすることもできる。今年のテーマは腰痛だ。「職業病」の大半を腰痛が占めるという。重いものを持ちあげたり降ろしたりするときに、腰に負担がかかりにくい姿勢も教えてもらった。

写真:腰痛の講演

 次に研究室の見学。騒音や振動が働く人の身体にどんな影響があるのかを調べる研究室。人間が聞こえるぎりぎりの低音に挑戦。音というよりは、全身にぶるぶる伝わるふしぎ体験。さらに振動する椅子に座ってみる。はじめはマッサージ器のように心地よかったが・・・

 お次は電子顕微鏡室。まずは50倍。500 円玉の桐の絵表面に、隠し文字が浮かび出る。何の文字かって? それは見てのお楽しみ。1000倍だと、とろろ昆布に旨味成分のグルタミン酸の結晶まで見える。一万倍だと・・・ ふだんは、職場にただよう細かな粒子、特に最近話題になっているナノ粒子や、かつて建築資材にも含まれていたアスベストの結晶などを顕微鏡で見ているそうだ。

 病理実験室では、細胞のレベルでの健康について調べている。口の中の細胞をその場で採って、紫色に染め、顕微鏡で見た。自分の細胞を見るなんて初めてだ。隣では、電気泳動という方法を使って、DNAをどうやって取り出すのか見せてくれた。酒豪と下戸ではDNAの一部が違うそう。ウワバミは生まれつきだったのか。

写真:病理の説明

 玄関ホール脇の体験コーナーに到着。ここでもいろいろなプチ体験が待っていた。静電気の実験では、大勢で手をつないだだけでビリッときた。市販のマスクを着けたとき、顔のすきまからどのくらい花粉が入ってくるかも検証。防毒マスクに詰められている活性炭の実力は? 空気中にはどのくらいホコリがあるの? 自分は標準体重より重いの?軽いの? 自分の心臓ってどんな音? 隣では、原子核が壊れて放射線が飛び出す瞬間も映像で体験。

写真:静電気についての実演

写真:活性炭の説明

 さらに研究成果のパネル展示も。研究者という人たちは、専門のことについてきかれるのが大好きらしく、喜々として質問に答えてくれた。

 なになに、「保護眼鏡かけるか盲目になるか」? こわっ。昭和5年の労働安全衛生ポスターだそうだ。ほかにも「乙女花散る大怪我病気」(昭和8年)など多数。レトロなデザインの陰に昔の人の苦労がしのばれる。

 あっという間の2時間半。アンケートを書いたら、お昼もだいぶすぎて、お腹もそろそろ限界だ。

 なお、一般公開は年1回4月に実施しており、次回も当ホームページ等でご案内いたします。またのお越しをお待ちしております。

刊行物・報告書等 研究成果一覧