WHO労働衛生協力センター世界ネットワーク(世界ネットワーク)会議
10月19日から23日までWHO労働衛生協力センター世界ネットワーク(世界ネットワーク)会議がジュネーブのWHO本部で開催されました。
WHO労働衛生協力センター(協力センター)は1970年代から存在していましたが、世界ネットワークとしての活動開始は1990年ヘルシンキ(フィンランド)における会議からです。
第1回世界ネットワーク会議は1992年モスコワで開催され、その後2、3年間隔で開催されており、各会議においては次回までに実施する作業計画を作成すると共に、前回からの事業の実施状況を検討してきました。
2001年チェンマイ(タイ)、2003年イグアスフォール(ブラジル)、2006年ストレサ(イタリア)の会議での議論により、よりリーダーシップを持った組織を作り活動することが合意され、国単位あるいは地域単位で協力センターがWHOの支援の下で会議を持つことになりました。
世界ネットワークは今や、57の協力センターを世界に持ち、現在10の機関が指定のため審査中です。これら協力センターは世界の指導的政府機関、大学、労働衛生の専門組織からなっています。
さらにこのネットワークにはInternational Commission on Occupational Health(ICOH)、International Occupational Hygiene Association(IOHA)、International Ergonomics Association(IEA)の3つのNGO組織が加わっています。
ジュネーブWHO労働衛生部門と地域労働衛生担当が事務局を構成し、ILOがアクティブパートナーとなっています。
WHO創設以来承認された労働者の安全と健康に関する決議は、1996年に著名されたGlobal Strategy on Occupational Health for All(世界戦略)と2007年に著名されたGlobal Plan of Action on Workers’ Health(GPA)の2つです。
世界戦略で承認された文書には国家の労働安全衛生基準とその具体的行動戦略を履行するための方法が書かれています。
それに基づき2001年のチェンマイの会議では2001-2005年までの行動計画として15の優先領域が設定されました。
2005年にはこの行動計画に基づく行動の実績が調査されました。
それによるとその内容は大筋で正しいが、実行へ移すための新たな動きが必要であることが結論付けられました。
そこで、WHOは6つの支局(Regional Offices)、ILO、ICOH、IOHA、IEA、雇用者と労働者の国際組織、世界ネットワークが協力してすべての労働者の健康を予防、増進するための新たな行動を強力に推し進めるための政策の骨組みを提示するためのGPAを構築することになりました。
この原型となるものが2006年ストレサで開かれた第7回世界ネットワーク会議でStresa Declaration on Workers Healthとして満場一致で採択され、これに基づくGPAはWHO役員会議において検討の上2007年5月の第60回WHO総会で決議60/26として著名されました。
GPAには労働者の健康に関する全ての面が含まれています。
職場におけるリスク評価と管理という伝統的なものから、これはアクションの中でも非常に重要なものですが、他の公衆衛生領域である、化学物質の安全、環境衛生、健康制度、疾病の予防及びコントロールを包含した形で労働者の健康を守ることを考えています。
ストレサで完成した2006-2010年の6つの活動領域は2008年3月の諮問委員会で5つに集約されたうえで2009-2012年の行動計画へと組み換えられました。
今回の会議は2009-2012年の行動計画の進捗状況を検証すると共に、それらを達成するための本質的問題点を明確にすること、さらには2012-2017年の行動計画へ向けて優先領域検討することでした。会議の様子は次回のコラムに譲ることにします。
(理事 小川康恭)
WHO労働衛生協力センター(協力センター)は1970年代から存在していましたが、世界ネットワークとしての活動開始は1990年ヘルシンキ(フィンランド)における会議からです。
第1回世界ネットワーク会議は1992年モスコワで開催され、その後2、3年間隔で開催されており、各会議においては次回までに実施する作業計画を作成すると共に、前回からの事業の実施状況を検討してきました。
2001年チェンマイ(タイ)、2003年イグアスフォール(ブラジル)、2006年ストレサ(イタリア)の会議での議論により、よりリーダーシップを持った組織を作り活動することが合意され、国単位あるいは地域単位で協力センターがWHOの支援の下で会議を持つことになりました。
世界ネットワークは今や、57の協力センターを世界に持ち、現在10の機関が指定のため審査中です。これら協力センターは世界の指導的政府機関、大学、労働衛生の専門組織からなっています。
さらにこのネットワークにはInternational Commission on Occupational Health(ICOH)、International Occupational Hygiene Association(IOHA)、International Ergonomics Association(IEA)の3つのNGO組織が加わっています。
ジュネーブWHO労働衛生部門と地域労働衛生担当が事務局を構成し、ILOがアクティブパートナーとなっています。
WHO創設以来承認された労働者の安全と健康に関する決議は、1996年に著名されたGlobal Strategy on Occupational Health for All(世界戦略)と2007年に著名されたGlobal Plan of Action on Workers’ Health(GPA)の2つです。
世界戦略で承認された文書には国家の労働安全衛生基準とその具体的行動戦略を履行するための方法が書かれています。
それに基づき2001年のチェンマイの会議では2001-2005年までの行動計画として15の優先領域が設定されました。
- 労働衛生における技術指導
- アフリカにおける協力関係の強化
- 子供及び青少年労働
- 珪肺症の撲滅
- 医療従事者
- 健康増進活動
- 職場における心理社会的要因
- 小規模事業所及び雇用形態が不明確な労働者の労働安全衛生の推進
- 筋骨格系障害の予防
- 予防技術
- 労働衛生従事者の教育
- インターネットとネットワーク
- 国と地域を表す指標
- 経済的評価
- グローバルな状況に基づく疾病
2005年にはこの行動計画に基づく行動の実績が調査されました。
それによるとその内容は大筋で正しいが、実行へ移すための新たな動きが必要であることが結論付けられました。
そこで、WHOは6つの支局(Regional Offices)、ILO、ICOH、IOHA、IEA、雇用者と労働者の国際組織、世界ネットワークが協力してすべての労働者の健康を予防、増進するための新たな行動を強力に推し進めるための政策の骨組みを提示するためのGPAを構築することになりました。
この原型となるものが2006年ストレサで開かれた第7回世界ネットワーク会議でStresa Declaration on Workers Healthとして満場一致で採択され、これに基づくGPAはWHO役員会議において検討の上2007年5月の第60回WHO総会で決議60/26として著名されました。
GPAには労働者の健康に関する全ての面が含まれています。
職場におけるリスク評価と管理という伝統的なものから、これはアクションの中でも非常に重要なものですが、他の公衆衛生領域である、化学物質の安全、環境衛生、健康制度、疾病の予防及びコントロールを包含した形で労働者の健康を守ることを考えています。
ストレサで完成した2006-2010年の6つの活動領域は2008年3月の諮問委員会で5つに集約されたうえで2009-2012年の行動計画へと組み換えられました。
- GPA1;働く者の健康を推進するための政策手段を立案、実行する
- GPA2:職場での健康を予防し増進する
- GPA3:労働衛生機関へのアクセスを改善しそこでのサービスを向上させる
- GPA4:行動と実施のための証拠に基づいた情報を提供し、情報交換する
- GPA3:他の政策に働く者の健康に関係する事項を組み込んで行く
今回の会議は2009-2012年の行動計画の進捗状況を検証すると共に、それらを達成するための本質的問題点を明確にすること、さらには2012-2017年の行動計画へ向けて優先領域検討することでした。会議の様子は次回のコラムに譲ることにします。
(理事 小川康恭)