労働安全衛生総合研究所

外国人労働者安全教育用“非言語”視聴覚教材(低層住宅建築工事対象)

 近年、わが国では、事業場で働く外国人労働者が外国人技能実習生を中心に増加してきましたが、平成31年4月1日、就労を目的とした新たな在留資格「特定技能1号」の創設に伴い、今後、外国人労働者の大幅な増加が見込まれています。
 ただ外国人の場合、日本語が十分に通じないことによる労働災害が心配され、それに対し効果的な対策を講じる必要があります。
 厚生労働省では、平成31年3月28日付け通達、基発0328第28号「外国人労働者に対する安全衛生教育の推進等について」において、外国人労働者に対する安全衛生教育は、母国語等を用いる、視聴覚教材を用いる等、 外国人労働者がその内容を確実に理解できる方法により行うことを定めています。
 これまでわが国では、外国人労働者の母国語に翻訳された安全教材が数多く制作されてきましたが、この度、これらの補助教材として、あらゆる国の方々の理解が進むよう“非言語”視聴覚教材を制作しました。 この教材は、低層住宅建築工事業を対象に、以下、そこで繰り返し発生している労働災害の防止を目的としました。


 制作方法としては、まず試作品を制作し、大手ハウスメーカー協力の下、実際に外国人労働者(外国人技能実習生等)の安全教育でそれを使用し、その効果を確認するとともに改善点を集め、それを基に改善を加えました。
 大手ハウスメーカーの安全管理担当者93人にこの教材の理解度を確認したところ、「十分に理解できた」「ある程度理解できた」の合計は、現場の危険の理解が92人(98.9%)、労働災害防止対策の理解が85人(91.4%)と、高い評価を受けました(下図)。

 皆様にご活用いただければ幸いです。

安全管理担当者による理解度評価


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