働く人の健康に関する研究施設公開(登戸地区)
– 令和8年度一般公開を終えて –
はじめに
7月9日(木)に登戸地区の「一般公開」を開催し、多くの皆様にご参加いただきました。この一般公開は、講演会や施設見学会を通じて、私どもの研究活動を知っていただくとともに、参加者の皆様との交流を目的として、毎年開催しているものです。今年度は、午前にオンライン講演会、午後にオンサイト施設見学会を実施し、講演会には222名、施設見学会には65名の方にご参加いただきました。ご多忙の中ご参加いただいた皆様に、改めて厚く御礼申し上げます。ご参加いただけなかった方々にも、会場の雰囲気をお伝えできるよう、以下に当日の様子をご紹介いたします。
オンライン講演会
午前に開催したオンライン講演会では、最近の労働衛生分野の注目トピックである「熱中症」「高年齢者の労働災害」「メンタルヘルス」「化学物質管理」の4テーマを取り上げました。各分野を専門とする研究員が、最近の法改正や当研究所での研究について、それぞれ20分程度の講演を行いました。その後、ファシリテーターを務めた研究員(吉川徹/産業医)と演者による約10分間のディスカッションを行い、各テーマにおける重要課題について掘り下げて検討しました。
本講演については、情報管理の観点から動画と発表資料の公開を控えさせていただきます。
ご了承のほどお願い申し上げます。
オンサイト施設見学会
午後に行ったオンサイト施設見学会では、6つの実験室・研究室に参加者の皆様をご案内し、実験内容や研究成果について研究員が解説いたしました。以下、それぞれについて、当日の写真と共にご紹介いたします。
呼吸用保護具の種類や分類について紹介し、適切な呼吸用保護具を使用する重要性を説明いたしました。また、呼吸用保護具の密着性を調べるフィットテストの種類や、フィットテストに使用する装置の測定原理について説明し、参加者の方に実際にフィットテストを体験していただきました。
産業化学物質の有害性評価において、動物実験を代替する試験法として利用が期待される線虫を用いた手法を実演し、得られた結果の利用法について解説しました。また、遺伝子が変異した線虫を顕微鏡下で観察しながら、線虫変異体を利用した毒性作用機序の研究手法についてお話しました。
熱中症対策に使われる電動ファン付き作業服を実際に着ていただきました。当日の外は気温30℃でしたので、実際に暑い環境でも着用していただき、効果を上げるためアームカバーを湿らせて蒸散性冷却の涼しさも感じていただきました。
重量物取扱いや介護作業における腰痛予防を目的とした動作解析研究について紹介しました。モーションキャプチャーや床反力計などの実験機器を展示し、動作解析や人体モデルを用いた腰部負荷推定の仕組みについて、解析動画を交えながら説明しました。また、姿勢や持ち方、年齢や筋力などによる腰への負担の違いについて参加者と一緒に考えながら、研究で得られた知見をもとに腰痛予防のポイントを分かりやすく紹介しました。
〇×クイズ形式で疲労と休養について学ぶ体験型イベントを実施しました。疲労は身体からの重要な休息取得のサインであること、睡眠だけでなく仕事から心理的に離れることも回復には不可欠であることを紹介しました。また、疲労の見える化ツールやセルフチェック法を体験いただきながら、「休む・休める・休ませる」の3つの視点から、過労を防ぐための職場づくりや休み方について来場者の皆さまと一緒に考えました。
原発事故の緊急作業に従事された約2万人の健康調査について、これまでの調査状況を紹介しました。また、収集された血液試料を用いた分子疫学解析によって、放射線被ばくが個人の免疫の働きなどにどのような影響を及ぼす可能性があるかについて説明しました。
おわりに
皆様のご協力のおかげで、今年度の一般公開を無事に開催することができました。平日のお忙しい中お時間を割いてご参加いただいた皆様、また、暑い中ご来場いただいた皆様に、心より御礼申し上げます。アンケートでお寄せいただいた貴重なご意見は、次回以降の一般公開の企画・運営に活かしてまいります。次回の開催日が決まりましたら、メールマガジンや研究所ウェブサイトにて改めてご案内いたします。次回も多くの皆様にご参加いただけますことを、所員一同心より楽しみにしております。ありがとうございました。







