労働安全衛生総合研究所

労働者健康安全機構 理事長表彰について

 当機構では、労働安全衛生研究等の推進について顕著な功績のあった者を表彰し、その功労に報いることにより、職員全体の志気の高揚ならびに優秀な人材の確保等による労働安全衛生研究の活性化を図ることを目的として、毎年度、「労働安全衛生研究に係る表彰」を行っています。

 令和4年9月12日に開催された表彰式にて、当機構理事長より、本年度の受賞者へ表彰状が授与されました。表彰された研究員とその表彰理由は下記の通りです。


所属氏名表彰理由
(清瀬地区)
建設安全研究グループ
主任研究員
平岡 伸隆  本研究は、掘削工事中の斜面の安定性を評価する研究であり、施工中の土砂崩壊防止対策の発展に大きく貢献するものといえる。
 土砂崩壊の研究は多数実施されているが、同様の研究は国内外でもほとんど行われておらず、特に、近年、進歩を続けるICT技術を活用した斜面の異常検知手法については新規性があり、その際、深層学習のようなAIを使った手法に着目する点は独創性があり、施工中の土砂崩壊防止対策の発展に大きく貢献するものといえる。
(登戸地区)
環境計測研究グループ
総括研究員
上野 哲  本研究論文は、総務省消防庁が公開した熱中症による救急搬送データ及び環境省と気象庁による気象データを基に、被搬送者の年齢や地域の気象条件などが熱中症の発症率に及ぼす影響について実証的に検討したものである。
 なお、本研究論文は、国際的な学術誌であるEnvironmental Health and Preventive Medicineに投稿し、受理・掲載されたものである。
 年齢と夏季気象条件の地域差は熱中症の発症率に影響を与えると考えられているが、その関係を定量的に分析した研究はほとんどない。また、熱中症の発生危険度を表す指標である暑さ指数(WBGT(湿球黒球温度):Wet Bulb Globe Temperature)に年齢や気象条件の地域差を考慮していく上で極めて有用な基礎データになるとともに、これが規格として反映されることにより熱中症という労働災害の発症原因の究明や予防対策に資することが期待される。

建設安全研究グループ 主任研究員 平岡 伸隆環境計測研究グループ 総括研究員 上野 哲

理事長表彰 授賞式

刊行物・報告書等 研究成果一覧